空


第六話 セリカからブルーバードSSSへ


爆音コロGを取り上げられた私は、先輩の紹介でセリカをもらった。
形はコロGそっくりだったが、本当にノーマルの物足りない車で、(記憶もほとんど無い)私は毎日次の車探しにいそしんでいた。
そう、この頃から、「動けばいいデート車」から「速いデート車」へと知らず知らずのうちに嗜好が変わってきたのだった。


そんなある日、芸濃町の車屋さんの廃車置場に並ぶ2台のブルーバードを発見。
私「これ、いくらですか?」
社長「銀色(sss-x)と白色(sss-s)、どちらも車検、諸費用込みで20万円」
私「速い方をください」
そして10万円を渡し、残りを分割にしてもらって、白い方を購入。
これも後々知ったのだが、往年の名ラリー車、910ブルーバードSSSターボが愛車となった。 ファンクラブまであるらしい。こちらをご参考。

これ↑は私のです。よくみると前周りが・・・
http://club910.abcb.jp/


この車には初めてがいっぱい。
ドアが2枚増えて4枚に。
ターボエンジンに高級オーディオ、エアコンまで付いていたのだ!
(後に知ったが、社長がくれたのは「速い方」ではなくてハンドルの「重い方」だった。)
この超重ステに、ウッドの小径ステアリングを装着、バックルのちぎれた4点ベルトを
とめて、峠という峠を走り回った。当時の自動車部の中でどうしてもタイムが及ばなかったのは2台。TE71レビンのS君と、SA22CサバンナRX7のK君。
彼らに勝つために試したこと

1 コーナリングの時、イン側は、溝、土手お構いなしに寄せる。
→これは、今でも通用するテクニック?です。
もっともコースとコンディションにもよりますが、狭い峠道のラリーのライン取りは
「アウト・イン・アウト」ではなくて「イン・イン・イン」になります。

2 傘○山の直線で、速度アラーム(キンコン)の数を数える
→少なくとも3回以上鳴るまでアクセルを離さないようにしていた。(お〜寒。)

3 片手ハンドルの徹底。
→トライアル競技では、今では常識。特にダートトライアルのようにギア抜けを
起こしやすい状況や、ラリーのSSのように、ギアチェンジの多い区間では
左手はシフトの上にいたほうがギアミスは少ない。もっとも、ハンドリングはもっと
重要なので基本は両手でまわすこと。昨今のパワステの普及状態からは、両手ハンドルにこだわる必要はない。当時の私は重ステで実践していた。FRは操舵量が少ないのだ。

そんなことを毎晩やっていたが勝てなかったので、EM2に相談して車をいじることに。
エアクリーナーを社外品に。プラグを高価なプラチナに交換。
よく覚えてると思うでしょう?何しろプラグが8本も付いていたんです、この馬鹿車。
ツインスパークといって、4気筒エンジンの1気筒あたりに2本プラグが付いていて燃焼効率を高めてあったわけです。
そんなものにお金をかけるくらいなら、一度でいいからオイルを替えれば良かったのに。
超文科系貧乏学生の私には、当時オイルの重要性にまったく気付くことが出来なかった。
即物的なガソリン添加剤とかは買ってたのに、、、
とにかく車のメンテの基本はオイル!これははっきり(今だから)言えます。

傘○山の当時のタイムは、1分40〜45秒。速いTE71が37秒だったと思います。

このお気に入りの一台で身に付けたこと。

1 フェンダーミラーを猫のひげのように活かして、超狭路を超高速で駆け抜ける車両感覚。
ラリーではとても重要なトレーニングです。
2 正しいハンドル回し。(内がけをやって、キックバックをくらって怪我をしたため。
痛い目に遭わないと身につかない。ちなみに自動車学校の回し方が正しいです。)

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