| 第12話 ランサーターボGT 
 
   
 A175Aランサーターボ。GSRはこの頃からのスポーツグレード。でもGTが存在したのはあまり知られていない。ご存知の方も多いかもしれないが、今のエボリュ−ションのように、GSRといえども豪華ではなく、パワステこそついていたが、セダンなのに全て手回しウインドウ。
 ドアもペンペラペンの代物。GTときたら、さらに気合が入っていて
 シートはビニール、ウインドウもガラスが薄い。ハンドルもクイックになっていた。こいつを購入した時点でお金が尽きていた私は、何の手も加えることなく前オーナーがつけてくれた、豪雪地帯、泥濘地用のトラクターのようなラリータイヤを履いてダートラに出場した。アンダーガードは付いていたが、足回りはノーマル、LSDは効いていたが、車はふわっふわで今思い出すと空恐ろしい状態だった。乾燥路面のダートラ場で
 トラクターのようなタイヤとクラウンのような足回り。
 何度もクラッシュしそうになりながらなんとか完走。
 順位はそれでも真中よりやや下くらいだったような気がする。
 とにかくこれではいかんとガラにもなく足回りを購入するためにバイトを
 強化、舗装用のタイヤも手に入れて、夜は笠○、安○へと通った。
 この頃一番気に入らなかったのは、FFで身に付けたサイドターンが
 まるっきり使えなかったこと。これはリヤブレーキの構造上の問題で
 止む無くクラッチを蹴りまくることでドリフトへと持ち込んでいた。
 今のドリフト屋の兄ちゃん張りに、交差点の転回でひと蹴り
 駐車場の向きがえにひと蹴り。かえるさんが書いていたけど
 本当に普段の運転でよく車を回転させていた。
 後日弟を乗せてせまい神戸の県道でこれをやり、リヤバンパーをヒットさせたり、とにかく運転は荒っぽかった。
 でもテールスライドへの恐怖は全く無くなり、少ない操舵量での
 コーナリングワークは徐々に完成の域にきていた。
 また、この頃山室山の試合にもついに参加。
 しかし、例のトラクタータイヤで出場し、ついにブービーをとる。
 表彰式で「オール下手で賞」を受賞。あまりの口惜しさに
 その後は狂ったように練習した。
 体得した結論は、「ダートラはタイヤだ。」
 やはりお金。全てはお金。勝つためにはお金!!
 当時の私は今で言うエネオシにて働いていた。正に朝から晩まで。
 ここで出会ったのが、「おいちゃん」ことえねおし様とBEAN。
 後に仲人までお願いする「先生」ともこの頃23号線で遭遇。
 給油に来たところを口説き落とした。
 クラブのメンバーも徐々に走りに熱い人が集まり始めていた。
 
 
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