空




ファイル5「あなたみたいな代理店、見たこと無い!?」☆

営業周り中の午後、信号交差点で停車中、タイヤの鳴く急制動の音。そしてど〜んという衝撃。
ああ、追突されてしまった・・・ 保険代理店に追突するとは何と言う・・・
車を降りて損害を確認。バンパーはアウト。自分も首がコリコリいう。ムチウチだな・・・
相手の青年はまだ運転が不慣れな様子。事故でもかなりあせっている。
自分が保険代理店である事を告げ、名刺を渡し、彼の情報を確認。
仕事中でもあり、すぐに警察へは同行出来ないが、彼には届け出るように指示。
以後は彼の保険会社とお話する旨伝えた。仕事柄、加害者の方からお見舞い等は
本当に頂きたくないのだ。(煩わしくもあり、直接何かを求める意思も無いので。)

首のゴリゴリが取れるまではと接骨医院に通い、治療を受ける。車はいつもの修理工場。
このときばかりとしっかり儲けてもらうように御願いする。どうせ自分の営業車。
(見えない部分の修理は適当でいいのだ。)
治療完了後、治療日数に応じた法定慰謝料と休業損害を請求する。
そこで相手方保険会社の担当者からクレーム。
「あなたは会社役員でしょ?役員報酬は休業損害の対象にはなりません。」

そう。保険金査定のマニュアルにはそう書いてある。そうくるとは思っていたぜ!
首のムチウチで仕事が保険代理店。あんた、別に損害無いやん!と暗に言ってるようだ。
ごもっとも。でも、ほんとに首はイタだるくって仕事に身は入らなかったのさ。
念のため、自社の担当者にも聞いてみる。
「無理だと思いますよ。うちでも支払いません。(この欲張り代理店!)」

馬鹿め!

何でも字面だけを追うからそのような解釈になる。何故役員報酬が否認されるのかは
詳しいマニュアルには説明が記されている。「役員報酬は、通常企業の利益の還元と
みなされるため、個人の所得とは見なされない」のだ。

では、私の役員報酬とは?

情けなくも県下有数の零細企業の1人社長。その役員報酬たるや、
雀の涙で毎月給与として支払われている生活費そのものである。
その他の収入を持たない私には充分すぎる「所得実体」。
この場合、ポイントは、現に収入が減少している事と、
「生活に必要とされる所得」で、 「会社の利益の還元でない」事。

余裕で充足している。(涙)判例を引っ張り出してコピー。相手方担当に説明。
ほら、ここ読んで。判例もあるでしょ!この間、新規営業一切してないの。(いつもですが・・・)
と、相手損保担当も了解。請求通りの満額を支払ってくれた。
そして数日後その担当者から電話が・・・

「いや、長年この仕事をしているけれど、あなた程しっかりした代理店さんは見た事がありません。
うちの営業社員から、他社のいい代理店さんがいたら紹介してくれと言われていたので
速攻で話しました。近々ご挨拶に伺うかと思いますが、ぜひうよろしく。」

???

お世辞半分でもうれしいような、情けないような。じゃあ、他の人って一体どんな仕事をしているの?

後日東京海上日動の支社長から連絡が入り、二度びっくり。
その後の乗合提携へのご縁となるのです・・・



 





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